露出を制御する項目の一つに『シャッタースピード(SS)』というものがあります。センサーに光を取り込むためにシャッターを開けている時間がシャッタースピードです。
例えば、「1/250」は250分の1秒の間だけシャッターを開ける、「2”」は2秒間シャッターを開けるという意味です。
シャッターを開けている時間が長くなれば長くなるほど、光を取り込む時間が長くなるので写真が明るくなります。
星空の写真を撮るとき、普通に写真を撮っても暗い空が写るだけで目で見たような星空を撮ることはできません。
この時、シャッタースピードを3秒などと遅くして長秒露光することで星のわずかな光を写すことができますし、下の写真の様に目で見たよりも明るい空にすることもできます。
シャッタースピードを遅くすることで、滝や川の流れが白い糸や布の様になめらかになり、人混みの街中から人をぼやかしたり人を消したりすることもできます。
シャッタースピードのコントロールによって人が目で見た現実とは違う、さまざまな芸術的表現を行うことができるのが写真の魅力です。
しかし、シャッタースピードを遅くし過ぎると、シャッターが開いている間にカメラが動けば写真全体が手ブレし、被写体が動けば被写体ブレが発生します。
上の写真のような長秒露光では、手ブレをふせぐために三脚が必要になります。
三脚を使わず手持ちで撮影する場合、レンズの焦点距離分の1秒(例えば焦点距離70mmならば1/70秒)が最低でも必要と言われています。実際は、カメラやレンズの手振れ補正が強力であればもう少しシャッタースピードを遅くできます。
一方で、被写体ブレはカメラやレンズの性能では止めることはできず、シャッタースピードを上げるか被写体にポーズをとってもらうしかありません。
キッズフォトを撮る場合、子供はなかなか止まってポーズをとってはくれませんし、元気に走り回るため被写体ブレが発生しないようにシャッタースピードを速めに設定する必要があります。
屋外など明るいところであれば最低でも1/500秒より速くすると安心です。室内など暗い場所でシャッタースピードを上げられない場合でも最低1/250秒に設定しましょう。
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