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SONY α7CⅡ 初期レビュー / 高機能・コンパクトなベーシック機 [α7Ⅳと比較]

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2023年10月13日、SONY α7Cの後継機、α7CⅡとα7CRが発売されました!

私も早速、サブ機をα7Ⅲからα7CⅡへと更新しましたので、とりあえず触ってみたファーストインプレッションと、これまでのSONYベーシック機種たち(α7Ⅲ、α7C、α7Ⅳ)との比較を行ってみたいと思います。

α7CⅡってどんなカメラ?

まずは基本スペックを見てみましょう。

α7CⅡα7Ⅳα7Cα7Ⅲ
発売年2023年10月2021年12月2020年10月2018年3月
価格約27万円約33万円約19万円約24万円
サイズ
(幅・高さ・奥行)
約124.0×
71.1×63.4mm
約131.3×
96.4×79.8mm
約124.0×
71.1×59.7mm
約126.9×
95.6×73.7mm
重量約514g約573g約424g約565g
画像処理エンジンBIONZ XRBIONZ XRBIONZ XBIONZ X
センサー
有効画素数
フルサイズ
3,300万
フルサイズ
3,300万
フルサイズ
2,420万
フルサイズ
2,420万
ファインダー
画素数
約236万
(0.7倍)
約369万
(0.78倍)
約236万
(0.59倍)
約236万
(0.78倍)
液晶可動バリアングルバリアングルバリアングルチルト
液晶画素数約104万約104万約92万約92万
AFAI-AF
(人、動物、鳥、

昆虫、車、列車、
飛行機)
瞳AF
(人・動物・鳥)
瞳AF
(人・動物)
瞳AF
(人・動物)
(動画不可)
トラッキングAF×
手振れ補正7.0段5.5段5.0段5.0段
カラークリエイティブ
ルック
(S-Cinetone)
クリエイティブ
ルック
(S-Cinetone)
クリエイティブ
スタイル
クリエイティブ
スタイル
4K動画60p (10bit)
クロップあり
60p (10bit)
クロップあり
30p30p
その他アクティブ手振れ補正、
ブリージング補正
美肌モード、
オートフレーミング、
ユーザーLUT
アクティブ手振れ補正、
ブリージング補正、
美肌モード
操作性ダイヤル×4ダイヤル×4、
ジョイスティック
ダイヤル×2+
露出ダイヤル
ダイヤル×3+
露出ダイヤル、
ジョイスティック
メディアスロットSDカード、
シングル
SDカード/
CFexpress Type A、
デュアル
SDカード、
シングル
SDカード、
デュアル

一言で説明するのならばα7CⅡは、「α7Ⅳと同等以上の性能」で「小型軽量」なカメラです。

小型軽量化のために、通常はレンズマウント上部に位置するファインダーが背面液晶の左上にあり、いわゆる軍艦部が無いのが大きな特徴です。

α7Ⅳを使用している人のサブカメラ、または小型軽量を重視する人の初めての1台(ミドルスペックフルサイズカメラ)としておすすめのカメラです。

※ちなみに同時発売のα7RCは、α7CⅡとほぼ同スペックのボディに6,250万画素の超高画素センサーを搭載した「α7RⅤと同等の性能」で「小型軽量」なカメラです。α7CRは、α7RⅤを使用している人のサブカメラ、または小型軽量だけど高画素ハイスペックなカメラが欲しい人におすすめのカメラです。α7CRの価格は約40万円(α7RⅤは約48万円)です。

α7Ⅳ同等かそれ以上の高性能

まず、最新の中級カメラとして性能が高いと言える表中の箇所に青線を引いています。

比較対象のα7Ⅳのキャッチコピーは「Beyond Basic」で、「基本(Basic)を超える(Beyond)」「次世代のベーシック機」という位置づけです。α7Ⅳは価格も考えると初めてのフルサイズミラーレスとしてはちょっと贅沢なミドルクラスカメラです。

一方でα7CⅡは、センサーや画像処理エンジンはα7Ⅳと同じものを搭載し、クリエイティブルックやS-Cinetoneも対応していて、動画は4K60p10bitまで撮影可能なので、α7Ⅳと同等の写真や動画が撮影できます。背面液晶もα7Ⅳと同じものが採用されています。

そして一番の特徴であり、α7Ⅳよりも高性能と言えるのが「AI-AF」です。AI処理によってカメラが人物骨格や動物、昆虫、乗り物を被写体認識し、高速高精度なオートフォーカスを実現する機能です。

このAI-AFはα7Ⅳには搭載されておらず、50万円近くするα7RⅤと、30万円近くするZV-E1、APS-Cのα6700に続いて4機種目にしか搭載されていない最新の機能です。

その他、手振れ補正7.0段、動画撮影時の「オートフレーミング」、「LUT反映(ユーザーLUT)」などα7Ⅳにはない機能がいくつか追加されています。

α7CⅡの個性

α7CⅡならではの特徴と言える表中の箇所に赤線を引いています。

α7CⅡは先代α7Cに引き続き、フルサイズミラーレスとしては圧倒的に小型軽量なカメラです。高性能化の代償として、その大きさは先代よりもわずかに大きく、重さも90gほど重くなってしまいましたが、それでもAPS-Cミラーレス並みの大きさ・重さです。

ファインダー液晶は先代α7Cと同じ236万画素でα7Ⅳには劣りますが、ファインダー倍率(ファインダーの大きさ)は先代の0.59倍から0.7倍になり、ファインダーが大きく見やすく改善されました。

そして、先代から操作性が大きく改善されました。小型軽量機種であるα7Cは操作ダイヤルやジョイスティックが無いため、操作性が犠牲になっていました。

α7CⅡになって大きく改善されたのは、グリップ前面にフロントダイヤルが搭載されたことです。これによって操作ダイヤルはα7Ⅳと同様に前面ダイヤル、上部背面ダイヤル、背面ダイヤル、右上ダイヤルの4つになり、「絞り・シャッタースピード・ISO」の露出3要素とプラスアルファで露出補正や色温度など好み調整項目を設定することが可能になりました。

依然としてジョイスティックはありませんが、ジョイスティックの代替としてタッチパネルによる操作機能が進化しており、操作性がカバーされています。

α7CⅡの欠点

先代α7Cでは欠点として、「①ファインダーが見づらい」「②操作性が悪い」「③シングルスロット」の3つが挙げられていました。いずれも小型軽量化とのトレードオフであり、必要な犠牲でしたが、①と②については前述のとおり大きく改善されました。③については依然としてSDカードのみのシングルスロットであり、α7CⅡの欠点と言えます。

プロカメラマンの業務上の撮影など撮り直しができず【絶対にデータが破損してはいけないシーン】では、2枚の記録メディアに同時保存してバックアップをとっておくことが大事です。α7CⅡはシングルスロットであるため、このバックアップができないのがデメリットとなります。

とはいえ、近年の高性能カメラに使う高速記録メディアは高価です。一般のカメラ趣味の使用範囲で、そんな高価なメディアを2枚用意してもしもに備えて同時記録している人ってどのくらいいますか?

そして5~10年前ならともかく、最近のSDカードって割と手ごろな価格のSDカードでさえ耐水耐衝撃になっていて、そうそうデータ破損しないくらい信頼性が高くなっています。

私はプロではないので、α7Ⅳのダブルスロットは片方が「Raw+jpg」、もう片方を「動画用」にして振り分けてPC取り込みとデータ整理を楽にするために使っている程度なので、シングルスロットでも特に問題はありません。

U-ma
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ちなみに、私が最後にSDカードトラブルにあったのは8年前で、

よくわからないメーカーのmicroSDカードをアクションカムで使用していた時でした。

それ以前のトラブルもmicroSDをアダプター経由で使用していた時だけで、

通常サイズのSDカードでトラブルにあったことはありません。

個人的には信頼できるメーカーの通常サイズのSDカードを使用していれば、

「絶対」とは言えないけれど、そうそうデータトラブルにあうことは無いと思っています。

これ以外の欠点として、「メカシャッタースピード上限が1/4000秒(α7Ⅳは1/8000秒)」「連写時の連続撮影可能枚数が少ない」「グリップが小ぶり」「ファインダー位置がレンズ軸からずれている」などが挙げられます。

外観

実際にα7CⅡとα7Ⅳの外観を比較してみましょう。

・正面

正面から見るとα7CⅡの方が高さは約25mm、幅は7mm小さく、やっぱり軍艦部が無いのが大きな特徴ですね。軍幹部が無いだけでなく、よく見ると全体的な高さがわずかに低く、ボタン類が上部に飛び出していないことが分かります。

この凹凸の少ない形状のおかげでカメラバックに出し入れしやすく、見た目以上に持ち運びやすさを感じます。

それから、グリップ前面にフロントダイヤルが追加されたのは非常に大きなポイントで、α7Ⅳなど通常サイズのカメラをメイン機に使っている人にとっては「同じ操作感」で使えます。

・背面

背面を見るとファインダーが液晶左上に位置するのが特徴的です。ファインダーがレンズ軸上から左にズレた位置になるため、覗いている目の正面位置とレンズ(センサー)の正面位置がズレるので、慣れないうちは画角にちょっと違和感を感じるかもしれません。

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U-ma

まぁ、SONYのAPS-Cカメラを使ったことある人なら気にならないし、

そもそもスマホ感覚で液晶をみて撮影する人には関係ないんですけど。

また、ファインダーがだいぶ小さく見えますが、ファインダー倍率が0.7倍に大きくなったおかげか実際に覗いた感じはそこまで小さく感じませんでした。

操作系としては左上のC3ボタンと右上のAELボタン、2つのボタンとスティックが無いのがα7Ⅳとの違いです。

・上面

上面から見るとα7CⅡの方が本体の厚みは約16mm小さく、グリップ形状がだいぶコンパクトになっており、グリップだけでなくボディ本体部分もだいぶ薄くなっています。

ボタン類は録画ボタン横のC2ボタンがありません。そして、先代α7Cでは小さかったシャッターボタンがα7Ⅳ同等以上に大きくなっています。 小さな改良点ですが、非常に操作しやすくなって良かったと思います。

また、α7Ⅳと同様に「写真・動画・S&Qモード切替スイッチ」が追加されました。各モード毎に設定が保存されるため、先代α7Cよりも写真や動画の撮影切替が格段に便利になっています。このスイッチはα7Ⅳではなかなか押し難いロック解除ボタンを押しながら動かす必要があったのですが、α7CⅡではロック解除ボタンが省略されたので使いやすくなったと感じます。

・側面

側面から見ると改めて高さが低いこと、グリップが小さいことが分かります。一方で、グリップの形状は先代α7Cから見直されているようで、小ぶりでは有りますが先代よりもだいぶ持ちやすくなったと感じます。女性など手の小さい方であればグリップサイズは全く問題ないでしょう。

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個人的には、私は男性の中でもそこまで手が小さいわけではないのですが、

グリップの持ちにくさはほとんど感じませんでした。

・コネクタ類

コネクタ類については、左側面上部にマイク端子とUSB-TypeCがあります。この位置はバリアングル液晶を回転させても干渉しないように設計されています。

α7Ⅳとの違いは、HDMI端子が標準サイズではなくマイクロサイズになっていること、レリーズなどを接続するマルチマイクロUSB端子が無いことです。

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ちなみにα7ⅣのUSB-TypeCは10Gbpsですが、

α7CⅡは5Gbpsなのも地味に相違点です。

α7CⅡはα7Ⅳよりもおすすめのカメラ!

お子さんの写真を撮影するためにカメラを始めたいパパカメラマン・ママカメラマンの方に、これまで私はSONY α7Ⅲかα7Cをおススメしてきましたが、今回α7CⅡを購入・使用してみて改めて、今子育てパパママにおススメするならα7CⅡがおススメの一台です!

これまでの私のα7Ⅲ、α7C、α7Ⅳに対する評価とおすすめ度は以下のような感じでした。

・α7Ⅲ

2018年発売なのでやや古いけれど、発売当時フルサイズミラーレスカメラに革命を起こしたと言ってもいいレベルのエントリーカメラ。いまだに現役で販売され続けているほど写真性能の完成度は高く、一応4K30pも動画も撮影可能。その高い性能にも関わらず初めての一台に購入しやすい20万円以下で販売されていた時期もあり、非常に高いコスパを誇ったカメラ。近年の値上げラッシュで価格が約24万円に上昇しているので、程度の良い中古を探した方が良いかもしれない。

・α7C

α7Ⅲの性能で小型軽量な弟分として発売されたにもかかわらず、α7Ⅲには無いトラッキングAFが追加されており、実際は「α7Ⅲの性能+AF性能向上+バリアングル液晶+小型軽量化(欠点:ファインダーと操作性)」という性能。しかも値段はα7Ⅲより4~5万円安いのでα7Ⅲよりもおすすめのカメラ。

・α7Ⅳ

2020年発売のα7Ⅲの後継機。「Beyond Basic」ということでベーシック機のα7Ⅲを超える性能をうたってはいるけれど、α7Ⅲから改善されたのは3300万画素センサー搭載、4K60p10bit対応、クリエイティブルックなど色味が綺麗になった、ファインダーと液晶の画質がやや向上、バリアングル液晶、瞳AF向上+トラッキングAF搭載、メニュー画面が見やい新メニューに変更、露出ダイヤルがカスタムダイヤルに変更、といった内容。

その中でも大きなインパクトがあるのは「3300万画素」と「AF性能向上」くらいで、「α7Ⅲより約9万円も高い」という価格差ほどの魅力は感じない

詳しくは以下の記事でレビューしています。

予算に十分余裕があるか、α7Ⅳにしかない機能がどうしても欲しい場合以外はα7Ⅲでも十分。また、α7CはトラッキングAFに対応していて価格が14万円も安いことを考えると、α7Cの方がさらにおすすめ

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ここに今回のα7CⅡのファーストインプレッションを加えると、

・α7CⅡ

「α7Ⅳと同等の性能+AI-AF+小型軽量+操作性向上+ファインダー改善」、しかもα7Ⅳより価格は約6万円安く、大きなデメリットは「シングルスロット」くらいしかない。

となり、【子供写真を始めたいパパママカメラマンの最初の1台におススメのカメラは、断トツでα7CⅡ】となりました!

U-ma
U-ma

AI-AFは素晴らしい性能で、撮影体験がガラッと変わりました。

被写体を自動認識しカメラ任せでバシバシAFが決まるのを一度体験したら

これまでのAFにはもう戻れません。

AI-AFが付いて、Cシリーズの欠点が大幅に改善され、α7Ⅳよりも安い。

今おすすめのカメラはα7CⅡ以外に考えられません。

これから新品でフルサイズミラーレスを買う場合、「α7Ⅲはもう少し足せばα7CⅡが買える」ため、「α7Ⅳはα7CⅡより高いのにAI-AFが付いていない」ため、【α7Ⅲとα7Ⅳは新品購入をおすすめできません】。一方で、これらは中古品も多く出ているため、マップカメラやキタムラで質の良い中古を探すのはありだと思います。

また、「α7Cはα7CⅡよりも大幅に安い」のでα7CⅡより【低予算で新品を購入するのであればα7Cありです。

α7CⅡにおすすめのレンズ

小型軽量なα7CⅡには、その長所を活かせる小型軽量なレンズがおススメです。

・TAMRONのズームレンズ

最近のタムロンはSONY E-マウント用の小型軽量で高品質なズームレンズを多数ラインナップしています。【28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)】、【20-40mm F/2.8 Di III VXD (Model A062)】、【28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063)】、【17-50mm F/4 Di III VXD (Model A068)】などがおススメです。

・SIGMAの単焦点

SIGMAはE-マウント用単焦点レンズが豊富で、特にIシリーズという単焦点は小型軽量なだけでなく、写りと質感も良く、価格も手ごろであるためおすすめです。

・APS-C用のレンズ(純正&サードパーティ)

α7シリーズにはAPS-Cモードがあります。フルサイズセンサをAPS-Cセンサのサイズにトリミングしているだけなので画素数は1400万画素に低下してしまいますが、写真として使えない画素数では有りません。特に動画撮影では4K60p撮影時には強制的にAPS-Cモードになってしまうため、4K動画撮影ではAPS-C用のレンズを使用しても全く問題ありません

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