今買うならα7Ⅲかα7Ⅳか?で『α7Ⅲで十分!』と言っておきながら、11/29の超PayPay祭でα7Ⅳを購入してしまいました…。実際に購入したうえで、α7Ⅳのレビューをしつつα7Ⅲやα7Cと比較したいと思います。
なぜ今更α7Ⅳの購入に踏み切ったのか?
そもそも私はEOS60Dで一眼デビューして以来、ずっとCANONを使用してきたのですがフルサイズミラーレスへの乗り換え時に【レンズ選択肢の多さ】でSONYに乗り換えました。
とはいえサブ機としてCANON機やEFレンズは手元に残していたのですが、『もうCANONに戻ることはなさそう・・・』ということでこの度CANON機材を売却し、新しいSONY機を追加することにしました。
αシリーズのなかでも、高画素機のRシリーズ、動画特化のSシリーズ、高速モデルのα9、フラッグシップのα1は私の用途にはオーバースペック過ぎますのでα7Cかα7Ⅳが候補となりました。
今回はCANON機材を売却した余裕があったのでα7Ⅳを購入することにしました。
YahooショッピングにてPaypayポイントバック込みで約268,000円相当にて購入です。
α7Ⅲはサブ機として引き続き使用していきたいと思います。
ホントはα7Ⅲを手放して、メイン機α7Ⅳ・サブ機α7Cにしたいところですが・・・
スペック比較
まずはα7Ⅳの主なスペックを紹介します。
α7Ⅲ | α7C | α7Ⅳ | |
価格 | 約23.5万円 | 約22万円 | 約32.5万円 |
サイズ | 約126.9 x 95.6 x 73.7mm | 約124.0 x 71.1 x 59.7mm | 約131.3 x 96.4 x 79.8mm |
本体重量 | 約565g | 約424g | 約573g |
センサー有効画素数 | 2,420万 | 2,420万 | 3,300万 |
ファインダー画素数 | 約236万 | 約236万 | 約369万 |
液晶 | チルト | バリアングル | バリアングル |
液晶画素数 | 約92万 | 約92万 | 約104万 |
瞳AF | 人・動物(動画不可) | 人・動物 | 人・動物・鳥 |
トラッキングAF | × | 〇 | 〇 |
カラーフィルタ | ピクチャーエフェクト クリエイティブスタイル | ピクチャーエフェクト クリエイティブスタイル | クリエイティブルック (S-Cinetone) |
4K動画 最大フレームレート | 30p | 30p | 60p (10bit) |
その他機能 | アクティブ手振れ補正 ブリージング補正 美肌モード | ||
操作性 | ダイヤル×3+露出ダイヤル | ダイヤル×2+露出ダイヤル | ダイヤル×4 |
α7Ⅲから進化したポイント
早速α7Ⅳの進化したポイントをレビューしつつ、α7Ⅲやα7Cと比べていきたいと思います。
有効画素数
まず、センサー有効画素数が2,420万から3,300万に増えました。画素数が増えたことで気持ち的に安心してトリミングできるようになりました。また、APS-Cクロップモードの画素数も約1,000万画素から1,400万画素になったのでクロップモードも使いやすくなりました。
代わりに撮影データサイズがだいぶ大きくなりました。私の撮影環境ではRAWデータは約24MBから約35MBに、JPGデータでも6MBから10MBになりました。
そして、実際に写真が綺麗になったのかと言われると、PCモニターサイズではぱっと見は違いはわかりません。CANONのEOS R3やR6も画素数は2,000万台ですから、そもそもα7Ⅲの2,400万画素でも画素数は十分足りていると思います。
以下にα7Ⅳとα7Ⅲの撮影例を示します。三脚を使用してまったく同じ設定で撮影したJPG撮って出しの画像です。赤枠内を拡大して右に示します。
こんな大きくトリミングすることは無いと思いますが、α7Ⅳの方が若干細部のディティールがくっきりしています。これは画素数の違いによるものだけでなくカメラ内現像のコントラストの処理による違いが大きく影響しています。
先ほどのα7Ⅲの拡大写真にLightroomでコントラストの補正をかけて比較したものを下に示します。
補正を加えるとディティールの違いはかなり小さくなったと思いますが、それでも若干α7Ⅳの方がくっきりと解像していますね。
カメラ内現像処理も含めて考えると、特にJPG撮って出しで簡単に撮影したい人でトリミングも大胆に行いたい人はα7Ⅳの方が良いかもしれません。
一方で、Lightroomなどで編集・現像する人、トリミングをあまりしない人にとっては2,400万画素でも十分なことを考えると、データ容量が3割程度増えるのはデメリットになるかもしれません。
また、画素数が増えたことで暗所ノイズ耐性が低下しないか気になっていましたが、これもほとんど違いを感じませんでした。おそらく画素数増加によるノイズ耐性低下とノイズ処理性能の向上がプラマイゼロくらいなのかな、と感じました。
ファインダーや背面液晶
ファインダー性能は思ったよりも違いを感じる点でした。ファインダーが劇的に見やすくなっており、ピントが合っているか、ボケ具合は狙った通りか、など撮影しながら写真の細部を確認しやすくなりなりました。
背面モニターもについても、CANONの頃はずっとバリアングルモニターだったので個人的には使いやすいと感じています。特に縦撮影と自撮りがすごく楽ですが、横撮影ではチルト液晶の方が使いやすかったので、背面液晶については個人の好みでしょう。α7R-Ⅴのマルチアングルモニターが普及してほしいですね。
AF性能
今回、一番進化を期待して購入したポイントが瞳AFとトラッキングAFでした。
α7ⅢのロックオンAFのAIはあまりお利口ではないので、被写体の顔をきちんと認識したり、瞳AFを併用することができないため、あまり使い勝手がよくありませんでした。
α7Ⅳの瞳AFは正面を向いていなかったり、一部隠れていても高い確率で瞳AFが作動し、瞳AFが作動しない場面でも顔を捉えてくれます。なにより、トラッキングAFが使えるため動き回る子供の頭部を追いかけて瞳が見えるシーンではしっかり瞳AFが作動するので、きちんと子供の顔にピントが合った写真が撮りやすくなりました。
そのため、AF性能の進化による恩恵はかなり大きく感じています。
また、動画撮影時にも瞳AFが使えるのもかなり便利になりました。
(ただし、α7CであればトラッキングAFと動画撮影時の瞳AFが使えます)
クリエイティブルック
ピクチャーエフェクトとクリエイティブスタイルがα7Ⅳではクリエイティブルックに変わり、かなり色味が良くなりました。
しかし、私の場合はLightroomで現像するのであまり恩恵を感じていません。
動画性能
α7Ⅳでは4K60pの撮影が可能になりましたが、強制的に1.5倍クロップ(APS-Cクロップ)されます。アクティブ手振れ補正とブリージング補正もそれぞれ1.2倍、1.1倍のクロップが入ります。
アクティブ手振れ補正とブリージング補正はクロップ率が低いのであまり気になりませんが、さすがに1.5倍クロップされると自撮りに使えるレンズが限られたりするため4K60pの使い勝手は微妙です。
4K60pを使いたい場合は、【E PZ 10-20mm F4 G】などAPS-C用レンズを動画用に購入すると一気に使い勝手がよくなります。
私の場合、あまり動画を撮る頻度は高くなく、データ容量が大きくなるのも嫌なので使っても4K30pまでです。なのであまり動画性能の進化によるメリットは感じていません。
露出ダイヤル
これまでのαシリーズでずっと露出補正ダイヤルだったダイヤルがカスタムダイヤルとして好きな機能を割り当てられるようになりました。
しかし、私の場合はAモード(絞り優先)を多用し、前ダイヤルで絞り、コントロールホイールでISO、露出補正ダイヤルで露出を調整して、シャッタースピードはオート、という使い方をするため露出補正ダイヤルの割り当てはこれまで通り変えていません。
ただ、露出ダイヤルにロックをかけられるようになったことに恩恵を感じています。
露出ダイヤルは位置的に体にぶつかったりして気づかぬうちに露出が変わってしまうことがあったので、露出ダイヤルがロックできるのは意外と助かります。
メニュー画面のリニューアル
「メニュー画面がリニューアルして使いやすくなった」という意見がありますが、正直これはほとんど感じません。
そもそもSONYのメニューが複雑というか、最近のカメラは多機能で設定項目が多いので結局はメニューの操作性は「慣れ」でしかないと思います。
デメリット
画素数が増えたことで、性能を発揮するのに必要なSDカードの性能が上がりました。
α7Ⅲの場合はUHS‐ⅠのV30クラスのSDカード(128GBで3~4,000円程度)でも十分使用可能でした。
α7Ⅳは最低でもUHS‐ⅡのV60クラス(128GBで8,000円程度)、できればV90クラス(128GBで15,000~20,000円程度)を用意する必要があります。
完全に性能を発揮するにはCFexpress type A(160GBで27,000円程度)が必要になります。
また、最新の画像処理エンジンBIONZ XRの性能は向上しましたが、発熱と消費電力が増えました。
メニュ画面を操作しているだけでも発熱するので、購入後の初期設定に熱中するとシャットダウンされる可能性があります。
撮影時の残りバッテリーの減りの速さもわかるレベルで早くなっています。使い方によりますが10%から20%早くバッテリーを消費します。
それから、ほんの少し本体が大きくなりました。
グリップがしやすくなったと言われていますが、私の場合はα7Ⅲの時から「グリップが小さい、小指が余る」と感じていなかったので、やや大きくなったことでカメラバックが窮屈になったのはデメリットです。
結局α7Ⅳを買ってよかった?
今回の私の場合は『サブ機を売却する』、そして代わりに『αシリーズを1台増やす』という前提があったため結果的にα7Ⅳを購入して良かったと思っています。
しかし、『子供写真を始めるのに最初に購入する1台はα7Ⅲで十分』という考えは変わりませんでした。
メイン機をα7Ⅲからα7Ⅳに変更して恩恵を感じた点は、
- 画素数増加によるトリミング自由度UPと解像感向上
- ファインダーが見やすくなった
- 瞳AF性能向上、トラッキングAF、動画時の瞳AF
- 露出ダイヤルのロック
以上の4点ですが、トラッキングAFと動画時の瞳AFはα7Cにもついている機能です。α7Ⅲに対して約9万円の差額を払うほど強力なメリットはやはりないかな…と思います。それほどにα7Ⅲのコスパが良すぎると言えます。
もちろん、確実に性能は高いので予算が潤沢にあるならα7Ⅳを選ぶに越したことは無いのですが。
むしろ、「よりコンパクトで軽い方が良い」「カスタムボタンやカスタムダイヤルをいじくりまわさないからボタンは少なくてもいい」という人であればトラッキングAFと動画時の瞳AFが使えてα7Ⅲより1.5万円安いα7Cが最適解だと思います。
コメント