カメラのレンズには、『焦点距離』というものがあります。レンズごとに撮れる写真の画角を示したものであり、
- 『50mm』など1つの焦点距離が示されズームのできない短焦点レンズ
- 『24-70mm』などと可変焦点距離が示されたズームレンズ
があります。
この『焦点距離』とは画像を結像するレンズからセンサーまでの距離のことであり、下の図に焦点距離の異なる4つのレンズのイメージを示します。実際のレンズは複数枚のレンズで構成されますが、図では簡略化して各焦点距離につき1枚のレンズに例えています。
オレンジの線で示した範囲が写真として撮影できる画角になります。
一番左の焦点距離の短いレンズ(濃い青とオレンジ)では画角が広く、右のレンズ(薄い青とオレンジ)になるほど焦点距離が長くなり画角が狭くなっていきます。
この焦点距離の短いレンズを広角レンズ、焦点距離の長いレンズを望遠レンズと呼びます。また、人の視野に近い画角が得られる焦点距離50mm前後のレンズを標準レンズと呼びます。
図中の4つレンズは等間隔で並べてあります。左側2つのレンズを比べると、広角側のレンズは焦点距離が変わると画角も大きく変化しているのに対して、右側2つのレンズ、望遠側のレンズでは焦点距離が変わっても画角の差は小さいことがわかります。
つまり、広角レンズでは焦点距離が1mm変わっただけでも写真の画角が大きく変化します。
また、ここが焦点距離のややこしいところですが、焦点距離は35mm(フルサイズ)センサーにおける焦点距離で統一されて表記されます。
そのため、フルサイズセンサーよりも小さなイメージセンサーのカメラでは、下図のようにフルサイズの画角をトリミング(切り抜き)した画角が実際に撮影される写真の画角となります。
この場合、そのイメージセンサーにおける実際の撮影画角が、フルサイズにおける焦点距離が何mmのレンズの画角に相当するかを『35mm(フルサイズ)換算〇〇mm』と表記します。35mm換算の焦点距離はAPS-Cでは1.5倍(CANONは1.6倍)、4/3では2倍になります。
ちなみに、焦点距離が長いレンズほどボケが大きく、焦点距離が短いレンズではボケにくくなる傾向にあります。一般的に小さなセンサーがボケにくいと言われますが、これはフルサイズと同じ画角で撮影する場合により焦点距離が短いレンズを使用する必要があることが影響しています。
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