本サイトでキッズフォトにおすすめしているSony αシリーズはEマウントですが、数あるEマウントレンズの中からおすすめの1本として、TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (A063)を紹介したいと思います。
TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (A063)とは
TAMRONから販売されるF2.8通しの標準域ズームレンズで俗に大三元レンズと呼ばれるものの一つです。
人の目の画角に近い焦点距離50mmを含み、日常的に使いやすい28mmから75mmの焦点距離をカバーするズームレンズで、常にこの1本は持ち歩きたいレンズです。
私の場合、このレンズ1本、もしくはこのレンズと合わせて単焦点や望遠レンズをもう1本もって出かけるパターンが多いです。
レンズのスペックを見てみましょう。
旧型TAMRON28-75F2.8(A036)や他のフルサイズEマウントのF2.8通しの標準ズームも合わせてスペック一覧にします。(SIGMAの「28-70mm F2.8 DG DN」「24-70mm F2.8 DG DN Art」、SONYの「FE 24-70mm F2.8 GM」「同 GMⅡ」)
メーカー | TAMRON | TAMRON | SIGMA |
モデル名 | A063 | A036 | 28-70mmF2.8DGDN |
焦点距離 | 28‐75mm | 28‐75mm | 28‐70mm |
明るさ | F2.8(最小絞りF22) | F2.8(最小絞りF22) | F2.8(最小絞りF22) |
最短撮影距離 | (広角)0.18m /(望遠)0.38m | (広角)0.19m /(望遠)0.39m | (広角)0.19m /(望遠)0.38m |
フィルター径 | 67mm | 67mm | 67mm |
長さ×直径 | 117.6mm×75.8mm | 117.8mm×73mm | 103.5mm×72.2mm |
重さ | 540g | 550g | 470g |
レンズ | 15群17枚 | 12群15枚 | 12群16枚 |
マウント | Eマウント (フルサイズ) | Eマウント (フルサイズ) | Eマウント (フルサイズ) |
価格 | 定価123,200円 (実売:約95,000円) | 定価110,000円 (実売:約95,000円) | 定価110,000円 (実売:約85,000円) |
発売日 | 2021年10月 | 2018年5月 | 2021年3月 |
メーカー | SONY | SONY | SIGMA |
モデル名 | SEL2470GM2 | SEL2470GM | 24-70mmF2.8DGDN Art |
焦点距離 | 24‐70mm | 24‐70mm | 24‐70mm |
明るさ | F2.8(最小絞りF22) | F2.8(最小絞りF22) | F2.8(最小絞りF22) |
最短撮影距離 | (広角)0.21m /(望遠)0.30m | 0.38m | (広角)0.18m /(望遠)0.38m |
フィルター径 | 82mm | 82mm | 82mm |
長さ×直径 | 119.9mm×87.8mm | 136mm×87.6mm | 124.9mm×87.8mm |
重さ | 695g | 886g | 835g |
レンズ | 15群20枚 | 13群18枚 | 15群19枚 |
マウント | Eマウント (フルサイズ) | Eマウント (フルサイズ) | Eマウント (フルサイズ) |
価格 | 実売:約277,000円 | 実売:約227,000円 | 定価148,500円 (実売:約109,000円) |
発売日 | 2022年6月 | 2016年4月 | 2019年12月 |
SONY純正でF2.8通しの標準ズームを使おうと思ったら最高峰のGmasterレンズを選ぶしかないので、でかい、重い、高い・・・。
そんな中、2018年5月に発売されたのが初期型TAMRON 28‐75mm F2.8 (A036)でした。焦点距離を一般的な24‐70mmから28‐75mmにずらすことで小型軽量さてたレンズで、GMレンズ(SEL2470G)の半額以下で小型軽量、そして写りもそこそこ良いということでものすごく売れました。
これに続いたのがIGMA 28-70mm F2.8 DG DNで、望遠側が70mmですがTAMRONのA036より更に小型軽量なレンズです。また、写りもA036より少し良いということで、このレンズは今でも非常に人気のレンズです。
そして、A036の後継機として2021年10月に発売されたのが、TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (A063)であり、大きさ、重さ、お値段はそのまま、A036よりも大幅に写りが良くなりました。
フルサイズEマウントのF2.8標準ズームは人気のある順にSONY 24-70 GM2 > SIGMA 24-70 Art > TAMRON 28-75 G2 > SIGMA 28-70 > SONY 24-70 GM1 > TAMRON 28-75(旧型)となります。
大きさ・重さ
レンズスペックにおいて小型で軽量であることは非常に重要です。大きく重たいレンズは、写真をお仕事にしているレベルの人でないと、日ごろ持ち出さなくなってしまいます。
特に最近はミラーレス一眼が主流になりカメラ本体が小型軽量になったので、より小型軽量なレンズの方が全体のバランスが良くなります。
以前であれば、光学性能を重視するために大きさや重さを犠牲にする場合もありましたが、最近は小型軽量なのに写りもかなり良いレンズが各社から販売されるようになりました。
そのため、SONY純正レンズもGM2かなり小型化、軽量化されました。
今回おすすめするTAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (A063)は、一覧に挙げた6本のレンズの中でもSIGMA 28-70mm F2.8 DGDNに次いで小型軽量であり、α7Ⅳと組み合わせた場合には約1.2kgとF2.8レンズとしては非常に軽量です。
このサイズ、重量で、1本でほとんどのシーンに対応できるので私は基本的にいつもこのレンズがカメラについたままになっています。
写り
TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (A063)はMTFチャートなどの光学性能評価でも高い評価を得ていますが、写り重視のGMレンズなどと比べるとさすがに数値上は劣る部分があります。しかし、数値上での光学性能評価結果と実際の撮影シーンで感じる写りの評価は異なってくる部分もあるため、そういった難しい評価は省略して・・・作例とともに実際の使用感を重視して評価します。
元々評判の良かった旧型からさらに光学設計を見直しただけあり、とても良い解像感で、ボケ味もやわらかくて綺麗です。
広角側が最も写りが良く、望遠側に行くにしたがって少し解像感が落ちていきますが、それでも十分な解像性能で、α7Ⅲやα7Ⅳを使用していて望遠側での解像感の低下を感じたことはほとんどありません。
カメラが高画素機であればもう少し解像感の低下を感じるかもしれません。
下の写真はα7Ⅲによる望遠端75mmでの作例ですが、被写体部分はよく解像しています。
また、ズーム全域で絞りがF4通しではなくF2.8通しであることはとても重要で、絞り開放でボケを活かした写真が撮れたり、暗いシーンでも余裕をもって撮影できたりと、F2.8が使えることで撮影の自由度がF4通しよりも飛躍的に向上します。
絞り開放のF2.8では、中心はシャープで周辺部が少し解像感が落ちますが、ごくわずかな解像感の低下です。少し絞ってF4以上になると全体がシャープな写りとなります。
下の2枚はα7Ⅲによる広角端25mmのF2.8とF8.0での作例です。作例の様にF2.8の場合には周辺部がボケ領域になっていることが多く、周辺部での解像感の低下は全くわかりません。F8.0で風景を撮影した場合には画角全域でシャープに解像します。
ズーム全域、解放から最大絞りまで、ほとんどのシーンでわざわざ単焦点レンズに交換する必要性を感じないため、ほんとに1本で撮影できる万能性です。
AF性能
旧型A036のステッピングモーターユニットRXDも十分高速・静音でしたが、28-75G2(A063)のリニアモーターフォーカス機構VXDはさらに高速高精度に進化しました。
α7Ⅳの瞳フォーカス、トラッキングAFも外すことなく高速高精度でバシバシ捉えてガッチリ追従します。
純正レンズに比べてAF性能が劣っていると体感したことは一度もありません。
価格・外観
SONYの最高峰レンズGmasterレンズは旧型のGM1でも約23万円、GM2だと約28万円、SIGMAのArtレンズは約11万円します。
今回おすすめするTAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (A063)は、2021年10月発売と比較的新しいレンズにもかかわらず約9.5万円と、SIGMA 28-70mm F2.8 DGDNの約8.5万円に次いで安いレンズとなります。
また、旧モデルから外観の仕上も変わっており、鈍い光沢感が低価格を感じさせない仕上げになっています。AF/MF切り替えスイッチはありませんが、AFLボタンがあるためカメラ側から機能を割り当て可能です。
まとめ
TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (A063)は、
- 純正GMレンズの半額以下、10万円以下で買える大三元標準ズームレンズ
- 非常に小型軽量なのにF2.8の明るさ
- ズーム全域で良好な写りで、ボケも柔らくて良い
- 旧型より更に高画質、AFが高速高精度、外観のクオリティも向上
このように、非常に完成度の高いおすすめのレンズです。
SIGMAの28‐70mmがほぼ同じ性能・価格ですが、個人的に撮り比べた感想としては、TAMRONの方は写りやボケ方が柔らかく「かわいい写真」向き、SIGMAの方がキリッと解像して「かっこいい写真」向きといったイメージです。
TAMRONかSIGMAか好みで別れるでしょうが、私だったらパパママカメラマンさんにはTAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (A063)の方をおすすめします。
TAMRON 17-28mmや20‐40mmと合わせて広角から標準まで同じ写りで撮れるようなセットで持ち歩くのもおすすめです。
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