デジタルカメラやスマートフォンはフィルムの代わりにイメージセンサーが写真を記録します。レンズを通った光をデジタル画像として記録するためのカメラの心臓部です。
センサーサイズ
イメージセンサーにはいくつかのサイズがあります。
メジャーなサイズは図にあるような5つのサイズで、デジタル一眼に使われるのは主に35mmフィルムと同等サイズのフルサイズ、小型なAPS-C、より小型なマイクロフォーサーズ(4/3)です。
1型は高画質を売りにしたコンデジに、1/2.3型はコンデジやスマートフォンに使用されます。
センサーサイズが大きいほど画質が良く、ボケやすく、表現力も豊かな傾向にあります。しかし、カメラ、レンズともに大きく重く、コストも高くなります。
センサーサイズが小さいほどより小型、軽量でコスパの良い望遠レンズが作れます。ボケにくくはなりますが広範囲にピントを合わせるパンフォーカスがしやすくなります。そのため野鳥撮影などではマイクロフォーサーズ機が良く使われます。
写真を始めると「とにかくフルサイズが良い」という話を多く聞きますが、一概に大きなセンサーサイズが最適というわけでなく、用途に合わせて使いやすいセンサーサイズがあると考えるべきです。
画素数
イメージセンサーは非常に小さな画素の集まりで構成されています。画素の一つ一つがレンズを通った光(色情報)を記録し、ドット絵の様にその点がたくさん集まることでデジタル写真が構築されます。
スマートフォンやデジカメのスペックに『画素数:〇〇万画素』という表記がありますが、これはイメージセンサーを構成する画素がいくつあるのかということです。
画素数が多いほど解像度が高く画質が良くなる傾向にありますが、高感度耐性が低くなり暗いところで撮影するとノイズが出やすくなります。
そのため画素数によるカメラ選びは難しく、ただ画素数が多ければ良いというものではありません。
最近のスマホには5000万画素を超えるモデルまでありますが、2~3000万画素のコンデジやデジタル一眼と比べて画質が良いとは限りません。
これはイメージセンサーのサイズや1画素の大きさ、それによって記録できる精細さと取り込める光の量などのバランスが重要となるためです。
同じセンサーサイズの場合、画素数が多いほどより精細な写真を記録できますが、1画素の大きさが小さくなります。
画素が小さくなると取り込める光の量が少なくなるため、暗所でノイズが出たり色表現力が低下することがあります。
つまり、以下のようになります。
センサー①:解像度は低いが、暗所に強い
センサー②:解像度は高いが、暗所に弱い
次に画素数は同じだがセンサーサイズが異なる場合、センサー③は1画素の大きさが大きくなり取り込める光が多くなるため暗所に強くなります。また、表現力も豊かになる傾向にあります。
センサーサイズも大きく、画素数も多い場合、センサー④は解像度が高くなりますが、センサー③よりは暗所に弱くなります。
また、センサー②④は画素数が多いため、多少トリミング(切り抜き)したり拡大表示してもセンサー①③と同じ画質を得ることができます。
4K画質は800万画素です。そのため、スマホでの表示やSNS投稿であれば500万画素、L版(普通の写真サイズ)からA4サイズで印刷、PCのディスプレイに表示するのであれば1,600万画素のカメラであれば充分であるといえます。
トリミングや拡大表示の自由度も考えつつ暗所性能とのバランスを考えると2,000~3,000万画素のカメラが使いやすいカメラと言えます。これ以上の高画素機になるとポスター印刷や商用レベルの写真が可能となりますが、高感度耐性が低くなるためシーンや使い手を選びます。
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